西宮市のエイエムスター不動産

- blog - 大きく変わる民法と不動産売却への影響

大きく変わる民法と不動産売却への影響

民法とは、私たちの生活や社会のルールを定めた法律です。そんな身近な民法ですが、1898年の施行から約120年、その内容はほとんど改正されていません。しかし、施行当時は、テレビもパソコンも存在しておらず、現在とは生活感も価値観も全く違います。そのようなことを背景に、2020年4月、民法を大改正することになったのです。

さて、今回の民法改正では不動産売却へ影響を与える内容があります。とくに、戸建住宅やマンションなどの不動産を売ろうとしている売り主には多くの注意点が存在します。そこでここでは、改正前と改正後の民法を見比べ、どのように不動産売却が変わるのかご紹介します。

 

改正前のキーワードは「瑕疵担保責任」

では、さっそく、不動産売却に関わる改正前の民法の条文を見てみましょう。

 

現在の民法

第563条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
(略)

第564条
前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。

第565条(数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任)
前2条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。

第566条(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
1略
2略
3前2項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から1年以内にしなければならない。

第570条(売主の瑕疵担保責任)
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

 

改正前の民法で、注目するべきキーワードは「売主の瑕疵担保責任」です。
表現が難しいため簡単に説明すると、戸建住宅やマンションなどの不動産を購入した買い主に何らかの不具合があった場合、その責任は売り主が負うという法律です。

もう少し、具体的に説明しましょう。
まず、聞き慣れない「瑕疵(かし)」という言葉は、欠陥のことです。たとえば、家を購入した買い主に次のようなことが起きた場合が「瑕疵」に該当します。

  • 雨漏り
  • シロアリ
  • 配水管の故障
  • 漏水
  • 地盤沈下
  • 土壌汚染
  • 騒音
  • 振動
  • 異臭など

このような瑕疵のうち、買い主が購入前に注意を払っても発見できなかった「瑕疵」を「隠れた瑕疵」と呼びます。

 

もし、隠れた瑕疵が発覚したら?

では、買い主が隠れた瑕疵を発見した場合は、どうなるのでしょうか?
通常、買い主は売り主に瑕疵を報告し、欠陥を修理してもらいます。これを「損害賠償」と呼びます。その他、その瑕疵によって買い主が契約目的を果たせない場合は「契約の解除」も可能です。

損害賠償の例

「購入したマンションの水道管が故障しているため、その修理費用を請求する」

契約の解除の例

「購入した家で修理不可能の場所があり、生活できないため売買契約を解除する」

 

改正後のキーワードは「契約不適合責任」

さて、次に改正後の民法です。改正後は、改正前の第654条や第565条などを統合し、新しい民法第566条が新設されます。では、その条文を見てみましょう。

 

改正後の民法

第566条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)

売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

改正後は、「瑕疵担保責任」という言葉が削除されました。そもそも瑕疵という漢字を読めない人もおり、理解が難しい表現です。そこで「瑕疵」という言葉を「種類又は品質に関して契約の内容に適合しない」という表現に改め、「契約不適合責任」という新しい考え方を導入しました。

「契約不適応責任」とは、条文にもある通り、売買の目的物の種類、品質、数量、権利に関して契約の内容と適合しない場合に、「売り主が負う責任」です。

 

「隠れた瑕疵」の削除

売り主:「この故障は、知っているうえで購入したはずだ」
買い主:「購入前には、この故障があるなんて聞いてない」

というように、瑕疵(故障部分)が「隠れているか」「隠れていないか」を裁判で証言するのは非常に難しく、以前から問題になっていました。そこで、改正後は「隠れているか」「隠れていないか」という判断基準は削除されました。そして、「契約に合っているか?(契約適合責任)」を判断基準に、売り主が責任を負うことになりました。つまり、ちょっとした不具合でも、改正後は契約の内容によって、売り主は責任追及される可能性があるということです。

 

買い主の請求できる権利の増加

改正前の瑕疵担保責任では、買い主が請求できる権利は「損害賠償」と「契約解除」の2つでしたが、改正後はさらに「追完請求」と「代金減額請求」の2つが加わります。

「追完請求」とは、壊れている部分に「修理してください」と売り主に請求できる権利です。一方の「代金減額請求」とは、壊れている部分に「代金を安くしてください」という権利です。

 

関連記事:改正後の不動産売却のポイントは?>>

無料査定はこちら [受付時間] 9:30~17:30 [定休日] 水

TEL:0120-72-8270

無料査定はこちら

お住まいを
お探しの方はこちら>>